士業で顧問先を見つける営業について

私は士業を営んでいます。士業とは、弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士などのことを言います。「営業」といっても、モノを売るだけが営業ではなく、いわば「あなたの会社をコンサルティングさせてください」という営業もあるのです。モノを売るのではなく言ってみれば「自分自身」を売り込むことになるので、その会社に「私は御社にとってこれだけ役に立てます」ということを上手に伝えなければなりません。モノを売っていればそのモノ自体が良質であれば営業の腕がそれほどでもなくても売れますが、士業は自分自身が気に入られなければ絶対に売れません。

私は士業を始めてまだ日が浅いですが営業がこんなに大変だとは思いませんでした。国家資格を取得して、看板を出していれば勝手に困った人が訪問してきて顧問契約に繋がる、と簡単に思っていた節があると思います。現実はそんなに甘いものではありませんでした。こちらから営業をかけるにしても人脈も何もありませんのでどこからどうやれば良いのか見当もつかず、ただただ飛び込み営業をしておりました。飛び込み営業をしたところで門前払いです。その会社のニーズも何も分からないので門前払いは当たり前ですよね。何が難しいって、まず社長に会えない。窓口で終わりです、「社長に伝えておきます」で終わりです。社長にきちんと名刺が届いているのか、窓口の人から話が通っているのか、全く分かりません。

恐らく社長には届いていなかったのでしょう。当然ですが後日、連絡が来ることはありませんでした。普通の営業ではダメだ、飛び込み営業はダメだ、と気づきました。全く知らない人間が突然訪ねてきて特にその会社が必要としていないことを売り込んでくる、こんなの来られても迷惑です。まずは人脈を、ネットワークを作ることに尽力しました。経営者が集まるところにお邪魔したり、法人会に登録したり。社長方の気持ちを理解することから始めようとしたのです。私は「まずは顧問先を獲得する」ということばかり考えていましたが、社長方の気持ちを分からずに顧問先なんて獲得できるはずがない、そう思います。少しずつではありますが、社長方とのネットワークもできてきて、お仕事の話もいただけるようになりました。営業に答えはないと思いますが、日々勉強しながら答えを探していきたいと思っています。